ただのすず

わたしに会うまでの1600キロのただのすずのレビュー・感想・評価

3.7
1600キロの長距離自然歩道トレイルを
単独で歩いたシェリル・ストレイドの自叙伝、映画化。
厳しい自然の中をただ黙々と
細い手足で大きな荷物を背負って歩き続ける姿が好き。

不必要な荷物の重みで自分が潰されたり、
窮屈な靴を履いている事に気が付かないで血だらけになって
その傷を完治させられないまま
痛みを抱えて歩き続けないといけない姿が良かった。

旅の途中劇的な物語が何もないのが良い、
愛する母との記憶と、離婚と自堕落な生活の回想と共にひたすらに進み続ける。
いつでもやめていい、人と話したい、寂しい、そう呟きながらもたった一人で。
安っぽいけど本当に人生みたいだ、一人で旅したいという気持ちは、
一人でしっかりと歩いて生きたいという気持ち同じなのかなと思った。

ローラ・ダーンの母の愛が強くて羨ましかった。