シネラー

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
劇場で2回鑑賞済み。
『ゴジラVSコング』に備えて、
円盤を取り出し再鑑賞。
不満点はありつつも、好きな作品だ。

怪獣シーンは最高と言っていい出来で、
ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラ
の登場シーンや対決シーンには惚れ惚れする。
日本版のオマージュを感じられる
演出もあり、前作同様に
怪獣のキャラクターは大切に描かれている
と思った。
音楽も日本版でお馴染みの
伊福部昭先生の「ゴジラのテーマ」や
古関裕而先生の「モスラの歌」が
劇中で奏でられており、
怪獣とそのテーマ曲は切り離せないと思った。
又、エンドクレジットの最後に
中島春雄さんと坂野義光監督
が追悼されている事も感慨深くなった。

不満点としては、
やはり人間ドラマ部分に関してだ。
主人公達の家族ドラマは共感しづらく、
そもそもの諸悪の根源である
母親は全くもって理解できない。
更にその娘を助けるという下りが
終盤まで繰り広げられる為、
そんな状況じゃないだろうと
感じざるを得ない。
又、オキシジェン・デストロイヤーの
唐突な登場とその扱われ方は、
不満の残るファンサービスだった。
更に、前作にもあった安直な核兵器の
使用が本作でもみられており、
そこでも物語が大雑把である事を
露呈していると思った。

怪獣映画の主役は怪獣であり、
その怪獣を引き立たせた上で
物語を盛り上げるのが人間ドラマ
の役割だと個人的には考えているが、
本作の場合は怪獣達の魅力だけで
押し通したような印象を受けた。
只、前作、シン・ゴジラ、アニゴジと
近年のゴジラで最も怪獣バトルを描いた
事もあって、個人的には満足している。
深く考える必要のない、
贅沢に予算がつかわれた怪獣映画として
観れる娯楽作だと思う。
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