傍観者の作品情報・感想・評価

傍観者2011年製作の映画)

Wymyk

製作国:

上映時間:85分

3.5

「傍観者」に投稿された感想・評価

ストーリーを簡単に紹介すると
ポーランドの田舎で会社を経営しているおっさんが主人公
おっさんには弟がいる
弟はアメリカで経営学を学んできたってんで、おっさんの会社を改革しようとしている
ワンマン経営なおっさんは弟がいけすかない
おっさんには若い奥さんがいるんだけど
奥さんは弟の子供の世話に夢中、弟は妻を亡くしてポーランドへ帰国したっぽい
そんな悩めるおっさんの前に人生最大の障害がやってくる
弟と乗り込んだ列車で不良たちが若い女性を辱しめている
弟はアメリカ仕込みの正義感で仲裁に入るが、逆に不良たちにボコられる
その時、おっさんはどうしたのか?
これが本作の分岐点ですね
監督のグレッグ・ズグリンスキは今は亡きポーランドの名匠クシシュトフ・キェシロフスキの弟子にあたる人だそうなんですが
それわかるな
「我々、人間ってどうなっているんだろう?」という視点で撮られる映画は数多くありますが
クシシュトフ・キェシロフスキはどんな絶望的な状況に陥った話しでも、ささやかな希望を残す
我々の矮小な人間性からくる悲劇と、それを乗り越える
または乗り越えようともがく姿に、私たち観客は勝手に希望を見出す
グレッグ・ズグリンスキの視点にクシシュトフ・キェシロフスキの映画が受け継がれている様に勝手に感じた
勿論、ポーランドの映画監督であるグレッグ・ズグリンスキの事は本作を観るまで知らなかったし
本作を観た後でクシシュトフ・キェシロフスキの弟子にあたる人だって知った
その事を知って、本当
腑に落ちた
だから似てるのかって
そして、もう一点
個人的に感じた事だけど
主人公であるおっさんを「傍観者」として設定している意図
これはポーランドの立場を表しているんだろうな
第二次世界大戦のきっかけと言えばナチス・ドイツによるポーランド侵攻
占領下のポーランドでナチス・ドイツはユダヤ人の絶滅を実行する
その時、ポーランドの人たちは何をしていたのか?
「傍観者」ではなかったのか?
このモチーフで映画が何本も撮られていると思う
その「傍観者」というレッテルに対して、本作はどうすべきか
きっちりと解答を描いていると思う
悲劇はもう起こってしまった
我々はどう接するべきか
本当、良い映画だった