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湖の見知らぬ男のmareのレビュー・感想・評価

湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)
3.5
社会から隔てられた先に広がる湖と森が彼らの関係性を覆い尽くすように、確かな関係性よりも肉体的欲求が先行する世界。不確かな綻びで容易く法は破られ、誰もが知らないという風に振る舞いその陰で闇に葬られる呆気ない惨劇。余所者である警察の介入もむなしく、シークレットな悦びを享受するために没頭する人々にとっては、取り立てて動揺することもなくいつもと同じだけの日常が過ぎていく。その光景そのものが利己的な人間の本質を生々しく切り取っている。平穏さの中にいつだって突発的な狂気は潜んでいる。ムンジウやジェイラン映画のようなピントの合わないぼかした終わり方がこれまたクール。
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