ユースケ

ドクター・ストレンジのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)第14弾は、傲慢で自己中な天才外科医スティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が、事故によって全てを失い、魔法によって再生し、世界の平和を守るために戦い始めるという某巨大軍需企業の社長を思い出さずにはいられないお話。

ヒーロー誕生譚なので、覚醒するまでに時間がかかるのも、説明が多くなるのも構いませんが、みどころのはずの修行シーンも覚醒シーンもあまり描かれず、説明シーンは立ちんぼばかりでちょっとガッカリ。幽体離脱を活用した睡眠学習法は激アツだったので、せめて最初の魔法が発動する瞬間くらいクローズアップして盛り上げて欲しかったです。キャラクターも立っていたし、キャスティングもハマっていたので、本当に勿体無いなと思いました。

更に、万華鏡のようなサイケデリックな映像や空間を捻じ曲げる【インセプション】のような映像など、最新のVFXを駆使したバトルシーンは素晴らしいのですが、本作のヴィランであるミッツ・マングローブのバッグボーンは大して描かれず、走り回ってばかりで強いんだが弱いんだかわからないし、本作のラスボスであるドルマムゥはすぐに喋っちゃうから威厳はないし、とんち攻撃に対抗する知恵も忍耐もないし、敵側にはもうちょっと頑張って欲しかったです。

個人的に注目していたジャン=クロード・ヴァンダムの後継者スコット・アドキンスの活躍なのですが、ドクター・ストレンジの浮遊マントに撲殺され、幽体離脱する空気扱いの斜め上をいく幽体扱い。
「アクション映画をたくさんやってきた僕だけど、アストラル体としての自分を見られるなんてそう滅多にないよね。」というパンフレットに掲載された皮肉の効いたコメントからは、セールスポイントの蹴り技を封印され、うっすらとした幽体アクションしかやらせてもらえなかった本作に対する怒りを感じました。

他にも、スリング・リングで開く光の出入り口はもっと近くに開けばいいとか、アガモットの目で時間を戻してエンシェント・ワンを復活させろとか、いろいろ言いたい事はありますが、なによりも、ヒロインを演じたレイチェル・マクアダムスの左頬のイボが気になって仕方なかったので、魔法で無限ビールとかやってないで、魔法でイボを取ってあげて下さい。

とりあえず、【コンスタンティン】のガブリエルや【ナルニア国物語】の白い魔女など、人ならざる者を演じたら右に出る者はいないティルダ・ウィンストン演じるツルツル頭のエンシェント・ワンのキャラ立ちは要チェック。復活させて続編にも出してくれ。