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追憶と、踊りながらのramca999のネタバレレビュー・内容・結末

追憶と、踊りながら(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

言葉があるから理解し合えないこともわかるし、理解し合おうとすることもできる。

ジュンとアランの間に共通言語ができたことで、上手くいってた(風の)関係は崩れた。
言葉を通わせたせいで別れたというより、言葉を通わせたおかげで別れようと判断できたのかなとも思う。

リチャードとジュンは口論になるまでは「これは訳さないでいい」とか本音を隠して取り繕うやり取りが続いていたように思う。
確かに口論にはなったけど、その後のリチャードとカイの家でジュンが抱えていた蟠りが解れるきっかけの一つだったのだと思う。

だから一見、「言葉があるから良くないんだ」って感じたんだけど、やっぱそうじゃないよねって最後まで観て思った。(自分がそう信じたいだけかも)

あのシーン、最終的には通訳をしなかったのも良かったな。
大事なのは、言葉に何を込めて伝えようとするか、なのかも。



そして、この作品のキーワードにはこの「言葉」と「匂い(追憶)」があると思う。

蟠りを解したもう一つのきっかけはカイの匂いだったのかなと。
ジュンは良いフィルターを通して、リチャードのことをやっと見ることができた気がする。
(老人ホームにカイの匂いはなかったしね)

ディナーの前日のシーンが何度も少しずつ見せ方を変えて使われていた。
ここでジュンにとってのカイは静止している。
ラストのこの追憶で何かを言おうとするカイはゲイであることをカミングアウトしようとしたのかな?
その演出だとしたら蛇足かなって思ってしまった。

だからラストがあの終わり方が良かったのかはちょっとよくわからなかったから解説がほしい。
もっと込められた意味があったのか。
あ、これで終わりなんやって思ってしまった。
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