Kaji

王の涙 イ・サンの決断のKajiのネタバレレビュー・内容・結末

王の涙 イ・サンの決断(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画「王の運命」の次の世代、王の運命でユアインが演っていた思悼世子の息子、イ・サンの話。
ちなみにその時の王、英祖はソンガンホ。

老論派(大臣級官職の最大派閥)と前王(祖父)の二人目の正妻によって、企てられた暗殺未遂事件が題材。
この時、すでにサンが即位して王様。


キャラの相関関係も伏線に入ってくるし、
複数のドラマが1日の流れの中で並行していく形を無駄なく配置して見せ場も作ってあり、衣装もセットも超豪華。
ヒョンビン、白が似合う。兵役後一本目に史劇を選ぶってスターです。
絵画的なカットがひときわ目を引く作品でした。


「中庸」第23章を索く会議シーンがありましたが、ここ大事で、中庸23章をめっちゃ要約すると、「小さな事にも真心を尽くすと、変化が生じて人心をつかみ、己と世をかえられますよ」かな。
このシーンの冒頭に「知識を得たら実行しないと意味がない」とも言っているので、ただのマウント合戦に見えて、全体のメタファーになってるのかなと。

中庸は倫理について書かれた儒教の基本書。

倫理観を磨いて、知力、体力、ばっちり!権威をカサにのさばる奴らに対抗を厭わないぞっ!て、後半の骨子を先出ししているのかと思います。
 加えて、宦官ガプスや武将、大妃を許すセリフ、シーンにも時間がかけられていて、不利不条理な環境でも倫理に基づき正義を希求するイサンの人物造形を成しているのかと思います。
 
でも、この構成わかりづらい。というか、こむづかしい事してる気がします。
中庸でピンとこなくちゃわからないよ〜。私も初見では「??」でした。

いざ今夜、という時にあっさり交渉成立するイケズな武将。
 夜間戦、火も焚かず月明かり、しかも雨で銃と弓の飛び道具戦は流石に標的が見えんだろ、その中間で剣術とか、味方を殺す確率のが高くない!?とかツッコミたい所もあります。
 そんなオタクの腐った意見は、弓射する白衣のヒョンビンの撮れ高のために蓋をします。
洗濯係の女官がキーパーソンな割に、腹心の宦官がボッコボコやん、、とか。

チョジョンソク、もったいないとか。
パクソンウン、もったいないとか。
チョンジェヨンの殺人シーン、こんだけ?とか。
そんな事も白馬に乗ったヒョンビンや、悪女大妃を熱演してたハンジミン、箸で暗殺ができちゃうチョジョンソク、18言わないパクソンウンが観れたので蓋をします。
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