福福吉吉

隣人-The Neighbors-の福福吉吉のレビュー・感想・評価

隣人-The Neighbors-(2012年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
カンサン団地11棟201号に住むギョンヒは娘のヨソンが殺害されて以来、娘の幻覚に怯える毎日を送っていた。ヨソンを殺害した犯人が捕まらないまま、次々と殺人事件が連続して起きており、同じ団地に住む住人たちは精神的に追い詰められていた。そんな中、ギョンヒの隣人である102号室の男の行動を不審に思う人々が現れる。

◆感想◆
娘を殺害された母親が少しずつ娘への思いを募らせていく展開とともに、隣人の102号室の男と団地の関係者が少しずつ絡んでいくストーリーとなっており、母親が娘への愛情を再確認していく部分と、102号室の男がとても尋常とは思えない不可解な行動をとる部分が上手く並行して描かれていました。

201号室の住人のギョンヒ(キム・ユンジン)は、娘のヨソンの塾の帰りに迎えに行かなかったことで何者かに拉致され、殺されてしまっており、それが原因で心に深い傷を負います。ヨソンは実子でないため、2人は少しずつ母娘の関係を築いている最中であったため、ヨソンが帰宅する幻を見てギョンヒは恐怖を覚えます。ギョンヒは時間が経つにつれ、ギョンヒの遺品などからヨソンが自分を母親だと認めていてくれていたことを理解していく流れは本作の一番の見どころだと思います。

そして、102号室の男(リュ・スンヒョク)は最初から陰湿な雰囲気を醸し出していて、彼と団地の関係者たちが絡んでいくことで、彼への不信感が高まっていきます。ピザの配達員や鞄屋の亭主、管理人、婦人会長、高利貸しの男など彼と接点を持った人物がストーリー後半にしっかり繋がっていく展開は観ていて面白かったです。ちなみに高利貸しの男をマ・ドンソクが演じており、これがかなり強くて一人だけ超人と化していて笑いました。

ストーリー前半のギョンヒのシーンでギョンヒが常に怯え続けているので、その部分で少しテンポの悪さと精神的な暗さがあって観ていてしんどかったですが、それがしっかり後半に活きていたので、その点で良かったと思います。

ホラーテイストを組み込んだサスペンスとしてなかなか面白かったです。

鑑賞日:2024年9月5日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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