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地上の星たちのleiene1991のレビュー・感想・評価

地上の星たち(2007年製作の映画)
4.6
僕たちは見えるものを感じて、見えないものは感じない
でもある時は、見えるものは存在しなくて目に見えないものが現実で...

失読症の少年イシャーンが授業の中で詩の解釈をする時の台詞で、彼が感じる世界や環境に対する疑問や葛藤、苦悩が滲み出るいい台詞でなんとなく自分でも分かるけど上手く説明はできないそんなモヤモヤとした気持ちがよく表れていた
親から勉強しろと責め立てられ友達には馬鹿にされ、できないをやりたくないに変換し反抗する
さらにそんな自分とは好対照な兄がいて常に比較される、子供にとってこんな苦しい環境絶対に良いわけがない

ついには寄宿学校に入れられ反抗する事すらやめ塞ぎ込んでしまうイシャーン
そこに登場するのがアーミルカーン演じる臨時の美術教師
結構待たされた感があるからこの登場シーンはめっちゃテンション上がるし、映画の中の子供達と同じように画面越しに観てるこちらも一気にその魅力に惹きつけられる

競争社会の中で結果だけじゃなく過程とか原因を見てくれる人なんてまあいない
どうでもいいと思ってても否応なく無意味な競争に巻き込まれたりもする
そうした時に自分のネガティヴな面とも上手く向き合って個性を認める事で自由になれるのかなと観てて感じた


所々都合の良い設定や展開はあるけどそこまで気になるものではなく、前半が少し冗長に思えるけど後半しっかり盛り返すし全体としてはすごく良かったです

先の先までとは言わずオチまで読める王道ストーリーだけど終盤ずっと画面がぼやけて見ました
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