な

セッションのなのネタバレレビュー・内容・結末

セッション(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ラ・ラ・ランドを見て、こんなに楽しくて好きが詰まった映画をつくった監督のほかの映画も見てみたいと思って借りました。とても衝撃的でした。好きか嫌いかで言われたら嫌いに入ります。でも最初から最後まで息がつけなかった凄い映画です。

フレッチャーの鬼の様な指導が私には本当に怖かった。一挙一動が全てプレッシャーになるし、精神的にとても追い詰められると思う。大事な舞台の出番待ちみたいな緊張状態で前半ずっとドキドキしながら見ていた。
主人公は友達もいなくて、父親にべったり。最初のレッスンでは泣きだすし、ヘタレで気弱な男かと思いきやとても芯の強い人物でした。他の人のどんな功績よりも自分の方が偉いと言い切ってしまうし、多分承認欲求がとても強い。自分を認めてもらいたい一心で血が飛ぶまで練習するし、主奏者は自分だと譲らない。あそこまでいくとマインドコントロールにかかってるのかとも思ったけど、でも元々彼自身にそういう意思の強さ、ドラムへの思いがあったからだろうなとも思った。

自分がなにかの頂点を目指してる訳じゃないし、そういう経験もないからかも知れないが、人に厳し過ぎるフレッチャーの様な人はどうにも苦手。天才を生みだすためだとしても、人を追い詰めすぎ。100点の人以外を全て切り捨ててしまうのは良くない様に思う。ただ、原動力は“悔しさ”だという考えには共感出来た。

最後のシーン、主人公を晒しものにしたのもフレッチャーの煽りという解釈を見たが、私はそれは違うと思う。
あれは明らかに主人公を陥れるためのものだった。1曲目が終わって1度は席を立ったものの、また戻って来て演奏を始めた主人公。それに対してのフレッチャーの表情も行動も、作戦通り、みたいな感じではなかったし。
狂気的なまでの厳しさのフレッチャーと、求められていた演奏を完璧に奏でる主人公の最高の“セッション”がラストシーンではよく描かれていたと思います。
な