だいすけ

少女が大人に変わる夏のだいすけのレビュー・感想・評価

少女が大人に変わる夏(2013年製作の映画)
2.0
ティーンの女子が主演だからか知らないけど、全く共感できなかった。普通に性悪な女に思えてしまった。

登場人物の誰もが、言ってることととやってることが食い違っている。リリーは浮気する父親と、距離を置こうとする母親の双方を責めているくせに、自分も友達を裏切るような行為をしている。これについては、友達への罪悪感や自分への苛立ちを父親にぶつける一方で、自らの行為を肯定するために母親を責めるという葛藤と取れる。しかも、終盤は混乱しているのか言動が支離滅裂。リリーの父親は、自らの浮気を棚に上げて、「母親の気持ちを理解する努力をしている」とか「人は変わるものだ」と抜かしている。ジェリーは父親を悼む傍ら、好きな人に抱かれたいと思う。つくづく理解できない。

唯一良かったのは、浜辺でリリーがデイヴィットを見つめるショット。ここでリリーの視線は明らかにデイヴィットと合っておらず、画面越しの観客に投げられている。一見するとイマジナリーラインを全く無視したショットなのだが、ダコタ・ファニングをアイドル的に撮る意図がある気がして、個人的に気に入った(たぶん深い意図はないだろうけど笑)。ただ、大人になる前の振りのようなショットを撮ったにも関わらず、その後のシーンでダコタが全く大人的に撮られてなかったのが残念。

裸のシーンに始まり裸のシーンで終わるのは、少女が大人へと成長する中でも不変的な友情を端的に表していて良かった。
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