あきしげ

コロニアのあきしげのレビュー・感想・評価

コロニア(2015年製作の映画)
3.5
エマ・ワトソン、体を張った演技を魅せる。

良かった点。

・史実ベースだから土台がしっかりしている
・カルト教団のようなコロニア・ディグニダ
・エマ・ワトソンが女優として成長した作品
・クライマックスでの脱出劇は手に汗を握る

悪かった点。

・主人公たちはただの一般人
・要塞と化した施設がユルい
・予定調和な場面が多い印象

ピノチェト独裁政権下にあった拷問施設。
それを“コロニア・ディグニダ”という。
ここには教皇と呼ばれる元ナチ党がいる。

パウル・シェーファーという危ない男。
西ドイツでも教会と孤児院を運営した。
だが、少年への性的暴行でチリへ亡命。
そこで彼自身の帝国を築いていきます。

教皇を演じたミカエル・ニクヴィスト。
本物ソックリの役作りはさすがでした。
見るだけでも気持ち悪い教皇に見える。

何より本作はエマ・ワトソンが第一。
ハーマイオニーとして知られる彼女。
一人の女優としての成長を魅せます。

個人的に『ハリー・ポッター』は好きじゃない。
ハーマイオニーはかなりどうでもいい印象です。
だから純粋にエマ・ワトソンの演技に集中する。
確かに体を張っているけどストーリーのおかげ。
サスペンス、スリラーとして上手い構成でした。
だからこそエマ・ワトソンのキャラが引き立つ。

ダニエル・ブリュールも体を張っている。
ボコボコにされた顔は痛々しい感じです。
頭がイカれた演技もなかなか上手かった。

本作はクライマックスの為にある作品。
これにすべてが集約されていると思う。
特殊な訓練をしていない一般人が脱出。
要塞と化した施設からは絶対に不可能。
それを実現させられるのは主人公補正。

コロニア・ディグニダはオウム真理教を思い出す。
パウル・シェーファー=麻原彰晃という印象です。
だからこそ説得力を生んでいるかもしれないです。
あきしげ

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