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ブリッジ・オブ・スパイのodyssのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
4.0
【大人のための秀作映画】

米ソ冷戦のまっただ中だった1950年代から60年ころにかけてのお話。
アメリカでソ連のスパイが逮捕された。裁判では弁護人が必要なので、とある弁護士(トム・ハンクス)に声がかかる。ためらいがあったものの、引き受けて本気で弁護をする。しかし敵陣営のスパイの弁護をしているというので、自宅に銃弾が。

弁護の甲斐あって、スパイは有罪にはなったものの死刑は免れる。するとまた弁護士に非難の声が。
だがその直後、ソ連領内を秘密撮影していたアメリカのスパイ機が撃墜され、飛行士がソ連に捕縛される。米ソ間で捕縛されたスパイを交換しようという話になり、また弁護士に出番が回ってくる。しかし、折も折、東ベルリンではベルリンの壁が構築されているところであり、東側にいたアメリカ人学生が・・・。

実話をもとにした映画だという。
非国民とののしられようとソ連スパイのために必死で尽力する中年男を演じるトム・ハンクスの演技が見もの。彼とソ連スパイの淡い友情も悪くない。
また、ベルリンの壁の問題がからむことで、ソ連と東ドイツの思惑の違いのようなものも浮かび上がっており、当時の複雑で微妙な国際政治のあり方を垣間見ることもできる。

一言でいうと、大人のためのドラマ。
秀作と言える出来栄え。
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