ざわさん

ブリッジ・オブ・スパイのざわさんのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.6
2018年 160本目

トム・ハンクスはこういう役が似合う。冷戦下、ソ連のスパイとアメリカのスパイの交換を使命としたジェームズの物語。スピルバーグにしては劇中の音楽が少なく、さらに冷戦や共産主義国家についての知識がなければなかなかついて行くのが厳しいので、眠くなる人が多そうな一作だったな。
ただのスパイ引き渡しだけでなく、ベルリンの壁を越えようとした罪のない学生も共に国内に連れ戻そうとした彼の優しさが冷戦の終結へと向かわせたわけで、あの時代にある種の一石二鳥を実行した勇気がある彼の強さに驚愕。
ジェームズが弁護をすることになったとはいえ、どうしてあそこまでソ連側のスパイを死刑にしないことに拘ったのかは疑問だったけど(スパイ同士の交換という目的があったわけだけど、まだ米国側のスパイが捕らわれてない時だったので、大きな賭けだと思った)最後は最高のハッピーエンドが待っていたので、「彼の優しさ」ということでまとまった。ラスト、彼が家に帰ってからの一連のシーンは画がキラキラしてて、ジェームズの心の開放感が感じられた。トム・ハンクスの魅力がこれまでかと伝わる作品。
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