ざわさん

オッペンハイマーのざわさんのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.2
2024年 15本目

待ちに待ったノーランの新作。やっぱりノーランはSFを撮って欲しいという願望は強いけど、テーマがテーマなだけに楽しみにせざるを得なかった。そして3時間、緊張感に殺された。言わずもがな、いつも通り時系列は複雑。オッペンハイマーが原爆を作ること自体はなく、「なぜ原爆を作らなくてはならなかったのか」という視点から描かれる。そして、彼を待ち受ける赤狩り。
繰り広げられるセリフの応酬と、複雑な人物関係。集中しないと置いてかれるというか、今これは何を話し合っているのかわからなくなると思う。そういった点で、コンディション良い状態で見るべき。
正直、鑑賞する前は「日本人としてどう思うか」なんてあまり気にならないだろうと思っていた。世界中のどこでも戦争が起こっていて、今回はたまたま原爆を作った男がテーマだから、配給会社が風評被害を危惧して公開を躊躇した結果、1年も遅れたんだと。
実際には、やっぱりセリフに「日本」という単語が出るとドキッとするし、原爆投下成功を喜んでいる人々の姿を見ると何とも言えない気持ちになる。でもそれはどの国の人が見ても同じじゃないかな。むしろ演じてる俳優陣とか、当事国であるアメリカのオーディエンスがどう捉えたかが気になる。『火垂るの墓』を見た外国人のリアクション動画をよくYouTubeで見るけど、それと同じ感情になってるのかな。俺は、ノーラン作品で泣いたの、『インターステラー』以外で初めてかも。

2回目:2024年3月31日 109シネマズ 川崎

3回目:2024年4月20日 109シネマズ プレミアム新宿
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