先日、キログラム原器が来年5月に廃止されることが正式に発表されたというニュースを見て久しぶりに鑑賞。
キログラム原器とは1kgを世界的に定義するための分銅のこと。
パリ郊外にある国際度量衡局にあって、それを元に複製されたものが加盟国に送られているようです。
ホコリや皮脂など少しでも汚れが付いたり、削れたりして重さが変化しないように厳重に保管されています。
その辺は劇中でよく表現されているので、全く知らない素人の私にとっては非常に興味深い作品です。
物語の主人公はノルウェー国立計量研究所の職員であるマリエ。
計量を研究する人と言っても日常で何をする仕事なのか?これも全く知らないことなので、観ていると成る程と思えることや、観た上で何をやっているのかサッパリ分からないという事も(笑
要は日々計量をし続ける人達なのですが、これがまた作品の独特な間や音楽で意外と面白く観続けることができました。
画面の構成もハイセンスで、人が小さめに映っていて背景が大きい、まるで絵画のようなバランスの画が多いです。
日常で理解されにくい仕事をしている人物達を突き詰めるわけでなく、丁度いい距離で落ち着いて観ることができました。
落ち着き過ぎて眠たくなったりしなかったのは、内容面の興味深さとシュールな笑いが各所にあったからではないでしょうか。
あと北欧の風景が本当に綺麗ですd(´∀`)
一見、無機質で人間的でない内容と雰囲気ですが計ることの難しさ、その意味、そして実はどれ程曖昧であるかというのが、一周回って人の生きることに繋がっていく哲学さがとても面白い作品でした。