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聖少女拷問の一のレビュー・感想・評価

聖少女拷問(1980年製作の映画)
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売春宿が舞台の若松孝二らしい密室映画であり、大胆なレイプ・リベンジもの。主人公が最後に為すのは、大袈裟に言えば日本の軍国主義に蹂躙された者全てのための復讐代行である。物語上殺されるのは軍人・下元史郎ただ一人だが、その背後にはやはり天皇までもちらつく。
5日で撮ったとは思えない四季の移ろいの表現が流石だ。関係ないけど、主人公の娼婦・島明美の「ここに来る男はみんな気持ち悪い」というモノローグに、「“ここ”ってヴェーラのことか!?」と、相変わらずオッサンばかりの劇場内で一人ドギマギしてしまった。
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