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くもとちゅうりっぷのdm10foreverのレビュー・感想・評価

くもとちゅうりっぷ(1943年製作の映画)
3.8
【異国情緒】

これ、日本のアニメなんですね。
製作された時代を考えると、自分が今まで知っていたジャパニーズアニメの進歩の過程が根本から覆ってしまうような一作でした☺️

ストーリー自体は「悪いことはダメよ」系のお手本教材のような内容ですが、作画が今までの日本アニメとは趣が違って、何なら初期のミッキーマウスのようなアメリカアニメのテイストすら感じます。

CGの欠片もない時代にこれだけ滑らかなアニメーションが作れたということに驚きました😲

あの蜘蛛は確かに悪い奴ではあるんだけど、どこか抜けていて憎めないと感じてしまうのは、最近の「多様性」という世界の色付けの影響なのかな?とも感じました。

明らかにビジュアルは黒人をモチーフにしてるよな…と感じながらも、それを悪として忌むべき存在みたいに見えなかったんですね。
でも、きっとこれが公開された(?)当時は「勧善懲悪」として、蜘蛛が痛い目に遭うと「やんややんや」だったのかな~と変な想像までしてしまいます。

異国の雰囲気を持ちながらも、音楽や台詞は限りなく日本をベースにしている、何とも不思議な作品でした。
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