ゆみゆみ

ヴィンセントが教えてくれたことのゆみゆみのレビュー・感想・評価

4.1
ヴィンセント(ビル・マーレイ)は偏屈ジジイ。隣りに越して来た母子家庭の親子とも出会いは散々。でもその息子オリヴァー(ジェイデン・リーベラー)のシッターを渋々することに。12歳のオリヴァーを競馬場やバーに連れて行ったり、ケンカの仕方を教えたり、好き勝手なヴィンセントだけど、なんだか憎めないのは、その裏にある人間らしい優しさが感じられるから。

競馬場のシーンが一番好き。子どもって本当に純粋だし、どんなに小さくてもちゃんと自分の考えを持ってる。オリヴァーの母が、離婚のゴタゴタの苦しさをオリヴァーはスポンジの様に吸収してしまってるというような事を言ってたが、悪い事ばかりじゃなくて、ちゃんといい事も自分の意思で吸収してるんだと思う。
ヴィンセントはオリヴァーにとって良い意味でも悪い意味でも人生の先生になった。「注文は大きな声で!」ほんとそう。小さい声じゃ誰も気づいてくれない。ヴィンセントのスゴイのは嫌われても自分を貫き通すこと。自分で選んでそう生きてること。自分の生きる道は自分の人生以外ないもんな。

"夜の女"ダカ(ナオミ・ワッツ)もオリヴァーをイジメたロバートも根は悪い奴じゃない。オリヴァーの母マギーだって必死に息子を守ろうとしてる。みんな一生懸命生きてんだな。マギーに関しては、特にいい母親だと思った。結局オリヴァーが幸せかどうかが基準みたいだったし、競馬場のくだりで、オリヴァーに楽しかった?って聞いてたのは、この状況でそれ聞く?って思ってすごくほっこりした。

ラストは泣いた。オリヴァーがまた可愛い。こんなしっかりした12歳いるのかな?
まぁ原題はとても的確なタイトルだけど、ネタバレ?になるから邦題の方がいいかもね。
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