あゆみ

ズートピアのあゆみのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
3.8
色々すごくよかったし大好きなんだけど、差別の元になる差異(暴力性)は治療可能なもの、他所からその人格に到来して除去できるもの、だから多様性があってもみんな根は同じで分かり合える、みたいな描き方はそこが限界なのか…と思った。肉食動物は結局あの世界で何を食べてるのか?と考えたら、肉食と草食は描かれ方以上に溝のある存在なんじゃないかとも思うんだけど、完全に共約不可能な部分のある他者とそれでも共生していくみたいな話ではなかった。

ズートピアが初めて登場するシーンで、電車にも3種類の大きさのドアがあったり、小さな動物が背の高いキリンに商品を渡せるジューススタンドとか、水棲動物が通勤中に身体を乾かせる設備とか、色んな動物が一緒に暮らせる工夫にわくわくしたので、多種類の動物の多様性を描いてたはずなのに結論は『本当はみんな同じだから分かり合える』だったから、『本当に全然違う生き物だけど折り合いをつけることはできる』だったらもっと希望の持てる大人の結論だったのにと思う。

ニックのキャラがよすぎた事が2番目にいい事で、1番よかったのは最後の歌で見に来てた子どもがあちこちで一緒に踊ってた事だったので、映画館で見てよかったなと思う映画だった。
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