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マウス・オブ・マッドネスのpikaのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
4.5
興味あるけどレンタルないし購入するほどでは、、、と思ってたけど買って大正解!
ミステリーからホラーへと、遂には哲学的な展開にまで及ぶとは、エンタメ映画としても大満足の楽しさであるのにラストが秀逸で余韻がサイコー!!
カーペンター先生らしいアッサリとした味付けで濃厚な具材がシンプルに、時に重厚に混ざり合い後味サッパリ、ワインにもビールにも合い、美味しくてたまらず酔いしれる面白さ。

カーペンター先生節炸裂の不気味なクリーチャーや魅惑的な異世界などの不穏なホラー描写が素晴らしく見応えたっぷり!
であるのにそれらは散りばめられたスパイスで、真の魅力は見えないほどに奥深いという凄さ!!
「この本を読むと狂う」という大ベストセラーの本の世界に足を踏み入れた瞬間、現実なのか幻想なのかの境目が徐々に曖昧に、果ては自分が現実と認識していたものは現実ではなかったのだろうかと自身に問うという混乱が人を狂気の世界へと誘う、なんてツボ過ぎてワクワクがとまらない!
悪夢や幻想の如く現実世界が少し歪んで現れる演出などくすぐられるし、夢か現か妄想か、世界を認識する知覚判断がグラグラ曖昧になっていく展開は大好物過ぎてたまらんたまらん!!
知識や見聞を深めるだけでなく人の価値観を揺るがしてしまう「本」という存在の影響、というものを最高級な娯楽として表現しきってしまう素晴らしきポップコーンムービー!だけに留まらないメッセージの強さにひれ伏してしまう大傑作!
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