ルイの9番目の人生
この物語の主人公ルイと母は互いに依存しています。
そこにルイの9番目の人生の悲しさが凝縮されていると思った。
以下ネタバレ
代理ミュンヒハウゼン症候群の母はルイを傷つけ、周囲から同情されることに生きがいを感じ、ルイは母を深く愛しているため母の望み通りの状態を自ら選びます。
母親が代理ミュンヒハウゼン症候群であることは、パーティで、母親が主治医パスカルの気をひこうとしたところで気がついた。そして、ルイが自ら死を選択したのだろうと感じた。
ルイの義父の話や主治医パスカルとルイの精神科医が繰り広げた話は、面白かったけれど、ルイがやっと母の望み通りに自分を抹消した後にルイの浮かばれない魂が救済されたかのようにファンタジー要素を加えたに過ぎず、私の心の中の悲しさは晴れなかった。