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トイ・ストーリー4のとぽとぽのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
4.0
物語の主人公はアンディからウッディへと、それは続ける必然性があった少し視点を変えての本当の終わり=旅立ち。仲間、ほかのオモチャ想いで何より《子供のため》という軸・忠誠心からブレずれに(だからこそ時に周りに理解されず少し自己中に見えることもありながら)皆をまとめてきた我らが保安官ウッディが最後に出す答えとはーーーなんだか冒頭からずーっと泣きそうになっていたなぁ、だって前作までの要約にそれらにしっかりと根差した現在の前振りというか揺れ動き・葛藤がきちんと丁寧に描写されていくから(「ボニーのため」"すぎる"自己犠牲的献身)。内なる自分、心の声に従って。ここに本当の悪役はいない。長い歳月と変化を経てそこから解き放たれるための次なる一歩で誰か他人のためではなく、ある意味初めてとなる自分のための決断。ずっと子供を見守る側だったけどそろそろそういう義務感・責任感=(自分に課した)存在意義という迷子から無限の彼方へさぁ行くぞ。本作の脚本というかストーリーには女優のラシダ・ジョーンズもクレジットされているけど、彼女もきっと観客として前三作を見てこう感じていたに違いない(あと時代とマッチした強く自立したボー)。だからこそ「ウッディに幸せになってほしい」という気持ちが本作を作らせたのかも。物語はアンディ=僕たちの手から離れて巣立って、作り手の願いがここには込められているまるでラブレター応援歌。長くかかったけど強迫観念からの卒業。ただMr.&Mrs.ポテトヘッドやエイリアン等昔から馴染みあるキャラクター達があまり活躍しなかったのはちょっぴり残念かも、その代わり場を支配する"Yes We Canada!"カーン=キアヌ・リーブス。80年代傑作コメディ『ビッグ』でも舞台となるように何か不思議なことが起こりそうな、宿っていそうな移動遊園地が舞台というのもまた良くって、予告編のGod Only Knows(←この選曲と込められた歌詞の意味も本編見ると見えるし心から頷ける)やその空間の夕暮れと照らし出す照明のような一本だった。夕暮れの余韻が心の隙間を埋めていく。沈み行く夕陽のように湿っぽく感傷的なのだけどサラッと、そしてその何百倍もの時間きっと心に住み着く。感動もひとしおで何という言葉で表せばいいか分からないけど、とにかくしばらくこのまま浸ってしまいそうだ。人生セカンドチャンス

TOMATOMETER98 AUDIENCE94
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