とぽとぽ

ファミリー・ネストのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)
3.5
部屋さえあれば

アパートは崩れ、人は朽ちてゆく。家さえあれば。部屋があればやり直せる…これが現実、これは実話だ。たとえ住む部屋があったて、見つかったとしても解決しないこと=別軸や根深い問題もある、が日々生きるのにやっとな当人たちにとってそんなこと気付けるはずもなく、ただ苦しく虚しく無情にも現実は救いの手を差し伸べてはくれない。すごい罵倒や見ていて不快だし疲れるけど、好き嫌いを超えて見る者に訴えかける力のある作品は、流石タル・ベーラ監督デビュー作品。インタビュー方式にパワフルにザラついた長回しなど、ドキュメンタリータッチに痛烈で目が離せない。DVなど腕っぷし力ずくの支配による男どものキモさ身勝手理不尽さなど、部屋問題だけでなく、そこから掘り下げた(とりわけ本作で描かれるような貧困層・市井の人々)他の社会問題にも目を向ける時代性と地域性、そして何より作家性。表現の責務と可能性が目を見開かせる。親として子を思い。解決法は1つ、アパートを見つける事

「2人を半分ずつ信じる」「6年間の結婚生活で2回しか殴ってない、少ないだろ?」言い争いの毎日
なんのために生きてるの?かつて求められた存在よ
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