いののん

トイ・ストーリー4のいののんのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)
3.8
ジェイク(ギレンホール)、もとい、ウッディ、現役引退か!?


セカンド・ステージへのスゝメ
私には、そんな映画に思えた。
現役としての役割は終了、その後の人生を決めるのはあなたです。これからあなたは、あなた自身の人生を謳歌してくだされ-。
そんな感じだったかな。だけど、この選択には、淋しさがつきまとう。選択といったって、選択肢は数少ない。無いにも等しい。もし、アンディが隣にいたら、あるいはボニーがウッディを必要としていたら、この選択はあったのだろうか(いや、ないだろう)。選び取った自由、自らの手で掴み取った自由、とは、言えない。だから、セカンド・ステージをどう過ごすかを決めるのはウッディ自身だとしても、こんなの選択じゃない、と私は思うんだ。ボニーとの別れの場面すら、もう描かれない。寂しい。いいんだいいんだ、これでいいんだと、ホントは良くないのに、いいんだいいんだと言い聞かせる感じがして。淋しい。


やっぱり、トイ・ストーリーは「3」で終わるべきだったんじゃないかな。大人の事情(親指と人差し指を、ごしごしスリスリ)かなんかわからないけど。ずっと愛してきたおもちゃを、繰り返し繰り返し数え切れないくらい永遠に、その都度その都度抱きしめるように、「トイ・ストーリー(トリロジー)」を、擦り切れるくらい愛でていく方が良いような気がしてくる。観終わって映画館を出る時に、ポスターを眺めると、本当にこの映画にぴったりのポスターに思えてきて、これ以上ないほど良いと思えてきて、しみじみする。


---

ひょっとしたら、5を作るつもりがあるんでしょうか。ウッディが、「やっぱり、俺の求める人生はこれじゃない!」とか言って戻ってくるとか。アンディが結婚して子どもがうまれて、そこにまた戻ってくるとか。それなら理解。やっぱり、この物語は、繋いでいく物語だと思うの。家族の成長とともにある、とか、家族じゃなくたって、大きくなった子どもから、まだ幼き子どもへと、手渡しされていくような、繋いでいく物語。そして、仲間と仲間が手を繋ぐ物語。そういうのが、いい。



〈追記〉2022.07
2度目は、初見時に比べて違和感なく観ることができた。今シリーズを先月いっきに観たら、ウッディは最初からこの日が来ることを予見していたような、そういう気配を最初から含んでいたんだということにあらためて気づかされました。
いののん

いののん