Inagaquilala

グッド・ストライプスのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)
3.9
「あのこは貴族」を観て、同じ岨手由貴子監督の2015年のこの作品を再観賞。あらためて細部まで目が凝らされた素晴らしい作品であることを確認した。「森崎書店の日々」(2010年)で主演した菊池亜希子が、交際4年、マンネリ状態に陥ったカップルの女性を、自身の魅力をたっぷりと発揮して見事に演じている。彼女としては、女優としてのハイキャリアの作品かもしれない。

「あのこは貴族」とは異なり、岨手監督のオリジナル脚本だが、そのせいもあってか、かなりディテールまでエピソードが書き込まれた脚本で、とくに気に入ったのは主人公が自らに部屋で飼育しているカメの「カシオペア」。ネーミングもいいが、このカメの存在がほのぼのとした味わいを見せている。カシオペアではないのだが、主人公が窮地に陥った時に登場するカメもまた貴重な役割を果たしている。物語ではカップルの互いのルーツ探しがメインになるが、菊池が演じる主人公の故郷として、和歌山県田辺市が舞台となって撮影されている。ポスターがネタバレになっているところは以前から少し気になっていたが、この作品に限っては、それほど気にするものでもないか。
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