いかちき

とうもろこしの島のいかちきのネタバレレビュー・内容・結末

とうもろこしの島(2014年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「みかんの丘」の後に続けて観た。
こちらもアブハジア紛争下、川の中洲でトウモロコシを栽培するアブハジア人の老人と孫娘の話。
中洲に農作業のための小屋を建て土を耕す。魚を捕り小屋に寝泊まりし、種を撒きトウモロコシを育てる。雨が振り中洲が削られ杭を打ち堤防を造る。言葉は少なくただ黙々と働く老人と孫娘。
この世の話とは思えないような中洲での営みが印象的だ。慣れ染み付いた業だ。
しかしアブハジア兵士の船が川を行き来し、そして怪我をしたジョージア人の兵士が中洲に逃げ込んでくる。兵士と孫娘の間に芽生えたものも束の間に流されてしまう。
私たちから見れば危険で貧しい生活に思えるかもしれない。でも彼等にとっては脈々と受け継がれた日々なのだ。
「みかんの丘」もそうだけどそこでは土の上に人が立っている。土地、国というものの意味を考える。
それにしてもクライマックスの嵐のシーンのカタルシスはすさまじかった。忘れられないシークエンスになる。
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