天豆てんまめ

ワイルド・スピード SKY MISSIONの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

4.2
ポール・ウォーカーの悲劇を通じて、現実と映画世界が分かち難く結びついて、多くの人にとって忘れられない作品となった本作。私もそうだし、世界中の人々もそうだと思うけど、やはり再見しても涙が出てしまう。

しかし冒頭のジェイソン・ステイサム無双のシーンからニヤニヤしてしまう。トランスポーターシリーズでファンになっておいて良かった。やっぱり彼は強くないと。その後のドウェイン・ジョンソンとのガチンコバトルもいい。

前半の日常描写ではドミニクとレティの記憶を巡る切ない距離感、ブライアンのミニバンで息子を送迎するぎこちないマイホームパパ生活が切ない。

そして、ヴィン・ディーゼルとステイサムの地下駐車場での正面衝突からの殴り合いに熱くなり、突然出てきたカート・ラッセルとの因果でNEWヒロイン、ナタリー・エマニュエル(セクシー!)扮するハッカーの救出に向かうのだけど、その際、タイトル通り、飛行機からみんな車でスカイダイビングはドキドキ爽快、そこから山道を疾走し、ブライアンが崖から落ちそうなバスから必死のダイブまで一気に見せ切る。

その後のアブダビシーンも魅力的。高層ビルでのミシェル・ロドリゲスとロンダ・ラウジーとのバトルもいい。中でも、ドミニクとブライアンの超高層ビル3棟ぶち抜きカーダイブが一番カタルシスがあった。クライマックスのドローン爆撃とカーチェイスは前作ほど盛り上がらなかったが、トニー・ジャーとポール・ウォーカーの対決とヴィン・ディーゼルとステイサムの殴り合いに熱くなる。

この作品はポール・ウォーカーが登場するたびに、切ない気持ちに襲われるけれど、全編に流れるのはやっぱり仲間、家族への大きな愛情。

そして、海辺のシーンからSee You Againが流れ始めたら、自然に涙がぽろぽろ出てきてしまう。あのシークエンスはもうたまらない。彼の不在に感傷的になるのではなく、キャスト、クルーの抱えきれない想いが詰まっていて感動的だからだ。

ワイスピには大きな愛がある。きっと、その愛を今後の作品でも感じさせてくれるだろう。

広義の意味で言えば、世界中のファンも、私たちもまた、ワイスピファミリーの一員になってしまったのだ。キャスト、クルー、ファン全てを包み込む、それくらいの大きな器がこの作品にはあると思う。

そして益々伝説となっていくだろうこのシリーズを、最後の最後まで楽しみ尽くしたいと思う。