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ジャスティス・リーグのシネラーのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.5
"ザック・スナイダーカット"
が日本でも配信されたので、
その前に"ジョス・ウェドンカット"
とも言うべき、本作を再鑑賞。
大衆的なヒーロー映画としては
普通に面白くて好きだが、
MCUとの作風の差が薄くなって
残念にも思う映画だ。

地球に隠されたマザーボックスを狙う
ステッペンウルフが来襲し、
それに対抗する為にバットマンらが
ジャスティス・リーグを結成する物語だが、
スーパーマンの復活譚とも言える
内容でもあり、
物語の前半が仲間達の集結、
後半がスーパーマンの復活と全面対決
となっている。
そのスーパーマンだが、
従来の明るく人々の希望の象徴
となる活躍具合で、
ようやくDCEUで本来のスーパーマンを
描けているように感じられた。
本作より登場するヒーローに関しては、
その生い立ちが軽く語られる程度の
描かれ方だが、
それぞれのキャラクター自体は生き生き
としていて好印象だ。
個人的にフラッシュが好きになったのは、
本作の影響が大きくあると思う。

只、良くも悪くもMCUとの差であった
DCEUのシリアスな尖りが薄くなり、
明るい作風が顕著となっている。
その点が一番に残念と思う部分だ。
物語の突っ込みどころも無い訳ではない。
内輪で揉めている間に守るアイテム
を盗まれるのは、流石に酷いと思えた。
又、逃げ遅れたロシア人一家の描写は、
確実に不要な人物描写だ。
ステッペンウルフとの決着も味気ない
幕切れで、悪役の小物感が出ていて
微妙に感じられた。
加えて、本作から登場したヒーローの中
でもサイボーグの描写不足は否めない。
マザーボックスとも関わりが深い
キャラクターにも関わらず、
その成り立ちが曖昧なのは酷いと思う。

良く思わない部分を綴り過ぎてしまったが、
劇場で2回鑑賞している位に
好きな作品でもあり、
スナイダー版ができたからといって、
劇場公開版を蔑ろにはしたくない。
只、本作を改めて鑑賞して、
またヒーローが集結するDCEU作品を
見てみたいと思った。
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