秀ポン

ジャスティス・リーグの秀ポンのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.0
MCUが存在しない世界線であれば楽しめたんだろうな、と思ってから、本当にそうか?って思い返した。

フラッシュとサイボーグに魅力がないので、2人をそこそこの尺を使って勧誘するくだりが退屈だった。2人がチームに加わってからもずっと「この場にふさわしくない奴が2人いるよなぁ?」って思いながら見ていた。
2人の抱える葛藤や能力だけじゃなくて、2人のヒーロー性も見せてくれよって思う。この2人、絡んできたやつの顔に落書きしたり、自分をサイボーグにした父親と喧嘩したりしてるだけじゃん。
勧誘はアベンジャーズも行ってるけど、あっちの勧誘対象がヒーロー候補なのに対して、こっちの勧誘対象は単にパワーを持った人間って感じがして微妙な気分になる。

(アベンジャーズでは、例えばスパイダーマンは勧誘以前から親愛なる隣人活動を行なっていた。それにホークアイがスカーレットウィッチを勧誘する際も「一歩外に出たら、君はアベンジャーズだ」と、ヒーローであることを加入の条件にしていた。このセリフめっちゃ好き)

勧誘を総括するバットマンの好感度もちょっと下がった。前作では最終的にヒーローの動機を重要視してた癖に、今作になったら急に能力ベースでしか人を見なくなっている。お前なんなん?

スーパーマンがバランスブレイカーすぎて、スーパーマンがチームに加わった時点で逆にジャスティスリーグというチームの存在意義がなくなるのは面白かった。
「もうあの人1人で良くないですか?」状態。

ヒーロー映画なのにヒーローらしさがない、みたいな方向で不満を言ってきたけど、それならいっそまた別の方向もあったんじゃ?と思う。
ヒーロー(スーパーマン)、私刑人(バットマン)、元隠遁者(ワンダーウーマン)
せっかくヒーローらしくない(なかった)2人がいるんだから、新キャラとかは置いといてこの3人のスタンスの違いにもっとフィーチャーしてくれれば良かったのに。
そうすればMCUの不細工な後追いみたいな空気にはならなかったんじゃ?

前作(バットマンvsスーパーマン)と比べて、バットマンのことはちょっと嫌いになったけど、尺は短くなっていたので良い映画だと思った。

──その他、細かな感想。

・スーパーマンvsジャスティスリーグのくだりで、スーパーマンがフラッシュのスピードについてくるシーン、とくに目で追ってくるところがかなりゾクゾクして良い。
ジョジョの、止まった時の世界に入門してくるシーンみたいな不気味さがある。(3部の承太郎というよりは6部のプッチ神父)

・これがスポーツだったら、飛び抜けた最強、例えばメッシとかであっても、仲間がいないとゲームが成立しない。なので飛び抜けた才能の持ち主とどう付き合っていくのか?っていう葛藤がチームに生まれうる。
しかしスーパーマンの場合、本当に1人でもなんの問題もないので、そういう葛藤すら無意味になっている。
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