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エクス・マキナのhigashiのレビュー・感想・評価

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.8
人工知能を描いた作品は数知れず。
でも本作は、ちょっと異質でした。

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検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。(シネマトゥデイ)
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なんだろう、この全編に漂う無機質感。

灰色。閉塞。コンクリート。

閉所恐怖症の人は見れないんじゃないかというくらいの、
空間的な息苦しさ。でも、なぜかすごく見入ってしまう。

ハラハラ!ドキドキ!
とかわかりやすい言葉で形容しがたい、
どろーっとした空気感が全編に漂い、緊張感を高めていく。

検索エンジン会社の社長を演じるオスカー・アイザック、ほんとに不気味。この人、天才なんだろうな…。という雰囲気を醸し出し、いつキレるかわからないクレイジーな怖さ。
素晴らしかったです。

「リリーのすべて」で大ファンになったアリシア・ヴィキャンダーは、今作でも最高でした。
ロボット感を出しながらも、人工知能という人間の知性を兼ね備えたキャラクターを熱演。
両作での演技が認められてのアカデミー賞だね、これは。
今作でも見事な脱ぎっぷり!

そして特筆すべきは、山荘のビジュアルやセットの造形。
スティーブ・ジョブズが案を出し、安藤忠雄が建築したかのような山荘。映画の雰囲気とピッタリで、そのビジュアルを見ているだけでも、近未来的でうっとりしました。

ロボットを彩るCGもすごかった。
ほんの少ししか使われていませんがCGっぽい違和感が全くなく、どこからがCGなのかが分かりません。
アカデミーの視覚効果賞を獲得したのも、納得です。

あと、オスカーアイザックとキョウコのダンスシーンが頭から離れない。
印象的なシーンは?と聞かれた時に、恐らく全員がこのシーンをあげるんじゃなかろうか…。
クレイジー感がすごい。
そこで流れてた「Get Down Saturday Night」、iTunesで買っちゃったよ。

あまり書くとネタバレになるので詳細は書きませんが、
今年の10本を選べと言われたら、選出してしまう1本です。

ただのSF映画とあなどるなかれ。

グロいシーンがサラッと出てきますが、
是非、映画館で見てみてください。
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