ひろ

アバウト・レイ 16歳の決断のひろのネタバレレビュー・内容・結末

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

エルファニングの体当たりな演技にひたすら賞賛を贈りたい!
短髪にして体鍛えて声低くして脇毛チラ見せして、こんな姿を見てしまっていいのだろうかとドキドキしてしまった。
粗野な仕草が男の子っぽく見えたり、無邪気に喜ぶシーンは性別を超越して子供っぽく見えたり、体つきや可愛らしい仕草は女の子っぽかったり、様々な一面を見せてくれる可愛らしいキャラクターだった。

他にも魅力的だと思ったのはお婆ちゃんたちだ。
自由で、強くて、シニカルで、それでいてお婆ちゃん/母親としての優しさを備えていて…。
父親が2人いることをイジるシーンは最高だった。(それも母親が2人いる娘に対してのイジりというのが素晴らしい)

そして、母親も大変だと思った。
自分の親がレズビアンなのに、娘は性転換したいと言い、夫とは色々あり別れ…。
隣で一緒に観ていた母親はこの映画をどんな気持ちで観て、どう受け止めたのだろうかと想いを馳せた。


この映画を観た時は少しこころが荒んでいて、レイが周囲に当たるシーンでは全てを壊してしまえばいいのにと思いながら観ていた。
母親に当たるシーンを痛快に感じてしまい、後で自己嫌悪に陥った。
そういう状況だったからか、最後の食事会のシーンはあまりにもハッピーエンドな大円団だったので受け入れられなかった。
違う状況で観たらどう感じるのだろう。

この作品は面白い/面白くないでは評価できないと思う。
少なくとも自分にはできない。
ただ、自分の知らない世界を見せてくれた、新しい世界へと導いてくれたことが自分にとって意味のあることで、価値があると思った。
映画との出会いは素晴らしいと改めて思わせてくれた作品。

スコアはつけないでおこうと思う。
ひろ

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