Donatello

HEROのDonatelloのレビュー・感想・評価

HERO(2015年製作の映画)
2.5
良くも悪くもドラマありきの映画ですからして、ドラマを観てた人たちには、特に大好きだった人たちには堪らないでしょうね。
一応自分もドラマ観てたクチですが。

最近のドラマの映画化と言うと、大抵無駄に大作化させるものですが、いくら破天荒な検事の物語とはいえ、レインボーブリッジを封鎖する必要性はないし、プルトニウムを積んだタンカーをジャックさせたところでほぼ蚊帳の外のお仕事ですから、こじんまりとしてしまうのも仕方ないかもしれませんね。

とはいえ、例えば帝都大学物理学准教授さんのお話などでは、一作目の冒頭にマイケル・ベイさん並みの唐突とも思える爆破を持ってきてる以外、さほどヴィジュアル的な大作感は無いにも関わらず、しっかりと映画となっていて素晴らしいなと思う訳です。
まぁ原作がしっかりしているものと比べても酷ですが。
でもドラマ観てなくて、映画観てからドラマに興味持たせるってある意味凄いとも思うんですよ。

そう考えれば、映画化する以上は50分足らずのドラマ枠では到底無理な凝った作品に仕上がってるのかと期待するのも容認していただきたいところですが、これがまた恐ろしく物足りない脚本でしてね。

大使館という不可侵な領域にズケズケ入っていくという所は、たしかに型破りな検事候ですが、ドラマお約束のネタを放り込みたいが為に、その辺りの事を蔑ろにし過ぎ感半端ない。

久々に「スペシャル版かなんかでやれ」系の作品でしたね。

但し、劇場内で周りを見渡せば、日頃はあまり映画館に来ない層の方々をかなり引っ張り出していたようなので、シアター的にはとても有り難い作品かもしれません。
そういう意味ではいい作品なんでしょうねきっと。
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