ユースケ

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

盾をぶん投げ、ビリヤードのように敵を倒すキャップ。小型ドローン・レッドウィングを操り、変幻自在に宙を舞うファルコン。バイクをぶっ飛ばし、華麗なルチャ・リブレの技を披露するブラック・ウィドウ。中二病全開の独特なポーズでチートな超能力を発動するスカーレット・ウィッチ。
そんな国境を越えて悪を追うスーパー・ヒーロー・チームの活躍を独立愚連隊の破壊行為に変えてしまうスカルペイントとメカナックルでキメたクロスボーンズことブロック・ラムロウが見事に散るオープニングで掴みはOK。

【キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー】の続編であり、【アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン】の続編でもあるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)第13弾は、参戦するスーパー・ヒーローが多いのでちょっと散らかった印象はありますが、「実写で撮れるものは実写で撮る。生身でできる事は生身でやる。」をモットーに、ルッソ兄弟がスーパー・ヒーローたちのアクションをノンストップで描いた一本。

みどころは、【バトルフィーバーJ】のバトルケニアや【太陽戦隊サンバルカン】のバルパンサーを思わせるブラックパンサーの参戦に加え、版権問題を超えたスパイダーマンの奇跡の参戦。
オタク過ぎず、チャラ男過ぎず、ウェブシューターを使い、軽口を叩くジャストなトム・ホランド演じるピーター・パーカーは100点満点。アントマンがジャイアントマンに変身するのに対して、スパイダーマンが【スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲】作戦ではなく、東映版【スパイダーマン】に登場する巨大ロボットのレオパルドンを呼び出して戦ってくれたら確実に失神していました。

本作は、アラン・ムーアの【ウォッチメン】から続く超人管理問題を描いたマーク・ミラーの【シビル・ウォー】を原作にしていますが、それに留まらず復讐に取り憑かれたヘルムート・ジモ、ティ・チャラ、トニー・スタークの3人の男たちを相手に己の信念を貫き通すブレないキャップの姿を描いた傑作。タイトルがアベンジャーズではなく、キャプテン・アメリカなのはそういう事なのです。

更に、本作は、バッキー・バーンズ、サム・ウィルソン、トニー・スタークの3人の男たちがキャップを奪い合う古い友達VS新しい友達のバトルロワイヤル。
特に、狭い車内でモメていたバッキーとサムが、彼女ができたキャップをニヤニヤしながら見つめるシーンはたまりません。萌え死に注意です。

恋人のペッパーに振られ、ウルトロンの件で責められ、親友のローディを半身不随にされ、両親の死の真相を知らされ、キャップにも振られ、終始反省ムードが漂うトニーが不憫でなりませんでした。次回作ではスケベジョークを連発する元気なトニーの姿が見たいです。