千里

キャプテン・マーベルの千里のネタバレレビュー・内容・結末

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「マーベル・シネマティック・ユニバース」=MCUの第21作。本格的に映画にはまり始めて約4年。試写会にはこれまで何度も応募してきたが一度も当たらず。そんな中、現在の生き甲斐と言えるMCU作品の最新作にまさかの当選!しかも一般の方向けとしては国内最速の試写会、更には米国公開よりも早く観れるとのことで、試写会の勝手が分からず緊張しながらもテンション高めで参加。故に初回時はTOHOシネマズ六本木の試写会にて2D字幕版を、2回目を本公開後にTOHOシネマズ新宿のIMAX3D字幕版で観賞。

初回時の感想としては、悪くはないのだが最近のMCU作品としては凡庸な出来の作品だったかなと⋯その後本公開後に2回目の観賞を経て、初回時に感じた不満点の多くは自己解決したのであった 笑

初回時に感じた不満点と、2回目を観た後のその部分の印象の差

①シーンとシーンの繋ぎが唐突で不自然→2回目を観ると別に不自然さはなかった。

②設定上は強いはずのキャプテン・マーベルだが、終盤見せるバイナリーモード以外は話がオリジンということもあってか苦戦するシーンも多く、あまり強く見えない...→そんなことはなかった。苦戦するように見えつつも終始強かった。

③メッセージ性自体は良いのだが、伝え方が分かり難いような⋯→分かり難くないどころか非常に強いメッセージ性に感じられた(これは一度観て知っているからかもしれないが)。

以上のように初回の印象の悪さは私の理解力の問題だったのかもしれない⋯とはいえ2回目を観てもやっぱりここは⋯と変わらず印象の悪い部分もあった。

①MCU全体の流れを考えると細かな整合性が取れていないところ。

Ⅰ.本作の舞台は1995年だが、既にシールドという組織の名称が使われている。しかしMCUの流れとしては2008年(2010年説もあるが)の「アイアンマン」終盤にて戦略国土調停補強配備局から略称を考えてシールドという名称になったはず。95年の段階で使われているのはおかしいような⋯これは単なるミスなのか?ただMCUがそんな単純なミスをするとは考えにくい(ホムカミ時系列問題はあれど)ので、整合性より観客への分かり易さを重視したのか?あるいは 戦略科学予備軍(SSR)→シールド→戦略国土調停補強配備局→略称をシールドという風に、一度シールドという名前になっていたのか?

Ⅱ.コズミックキューブは「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」終盤にて海に沈み、それをハワード・スタークが回収。故に当時はシールドの前身の組織であるSSRが保管していたと考えるのが普通だが、どういう経緯で米空軍、そしてマー・ベルの手に渡ったのか。SSRと米空軍が提携していたと解釈すれば補完出来なくもなさそうではある(←どうやらプロジェクトペガサスは、キャプテン・アメリカを探す過程で見つけたコズミックキューブを活用出来るように、ハワードを中心としてシールド、NASA、米空軍が共同で行ったプロジェクトらしいとのこと。https://marvelcinematicuniverse.fandom.com/wiki/Project_P.E.G.A.S.U.S.)がちょっと不親切ではあるかなと。

Ⅲ.「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で示唆されたフューリーの目の伏線に関しても、これでいいのか...?と思えるくらい軽い扱いになっており、人によっては納得いかないのではないかと...。

②キャプテン・マーベル以外のアクションシーンの見せ方。
単純に見栄え的に観づらいシーンが多いということも関係あるのかもしれないが、クリー人とスクラル人がどの程度強いのかがちょっと分かり難かったかなと。パッと見普通の人間と身体能力的にそう変わらないようにも見える見せ方が多かったと思うが、一応地球人より強く描かれているシーン(資料室の辺り)も少しあったのでまぁいいのかな⋯。パンフレットによるとクリー人の方がスクラル人よりも身体能力自体は高いとのこと。本作には出ていないが、MCUの中でもアスガルド人は特に強く描かれるので、それに比べるとクリー人とスクラル人はそこまでの強さではないけど、でも地球人よりは強いみたいな⋯そんな感じなんだと思う。

③音楽の使い方。
悪いって程じゃないのかもしれないけど、同じく過去の年代の曲を使っているGotGでの上手い音楽の使われ方を観ていると、今作はそこまで上手くはなかった印象⋯。サントラ曲にしても、キャロルが自分の力を自由に使っていいと気づき、選択するあのシーンでかかる曲は素晴らしかったと思うが、そこ以外で印象に残ったシーンはあまりなかった。


素晴らしかった点

①開幕のMARVEL STUDIOロゴ!まさかのスタン・リー仕様になっており、いきなり涙を誘われる。Thank you Stan. 2回目観賞時は劇場で拍手が起こったのも素晴らしかった。

②終盤バイナリーモードとなったキャプテン・マーベルの無敵感!爽快感!素晴らしい!エンドゲームでもこの活躍が観たい!

③キャロルとニックのやりとり等全体通してクスッと笑えるコミカルシーン。特にフラーケン絡み のシーンは劇場でもクスクス笑いが聴こえた 笑

④アベンジャーズ計画の名前の由来が明かされたこともテンションが上がった。物騒な名前だなと思っていたらそういう経緯があったとは 笑

⑤非常に強いメッセージ性
本作では クリー帝国を能力のある女性をいいように使う社会 として見立てているので、社会で生きる中で苦しい思いをした人(男女問わず)程共感し易いのかなと。いいように使われず、自由に自分の能力を発揮し、自信を持って生きていく!そんな強いメッセージ性が感じられる。個人的にはこのメッセージの伝え方、キャロルが自由に力を使うことを選択するシーンがベストシーン!

それにしてもクリー帝国ってやっぱこういう描かれ方になるのね...笑 ドラマでも映画でも悪役ポジお疲れ様です!笑 試写会に行って良かったなと思ったのは、本編前にIWのラストを流してから本編に移る演出!本公開では勿論流れないが、あれは試写会ならではだったので、行って本当に良かったなと思う。良い思い出になった。

本作の結論!!地球の猫の正体は恐ろしい!!

※2回目観賞後に感想を修正。スコア→3.5から3.6に。
 
※3回目を吹替え版にて観賞。スコア→3.6から3.7に。

EG後に観るとまた違った印象で今までで一番楽しめた。EGの方が撮影自体は先だったらしく、キャロルを演じたブリー・ラーソンさんはEG撮影時にはまだキャロルをどういう風に演じたら良いのか分からなかったそうだが、本作撮影時にようやくキャロルのキャラを掴めたと仰っていただけあり、強さはそのままにEG時より茶目っ気や可愛らしさも増し増しな本作のキャロルの方が断然キャラクターが立っていて良い。
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