こたつむり

アベンジャーズ/エンドゲームのこたつむりのレビュー・感想・評価

4.6
★ 悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!

端的に言って最高でした。
実は公開初日に観たのですが、感想を書いてしまうと気持ちに一区切りついてしまうので…少し保留にしていたのです。やはり余韻は大切にしたいですよね。

何しろ、本作はシリーズを追ってきた人たちへの最高のご褒美。全ては、この着地点のためにあった…と言っても過言ではないのです。

正直なところ、中途半端な知識で鑑賞するならば、きちんと全て(21作品)を観てから臨んだ方が良いと思います。さざ波が積み重なって大きなうねりを作る…その醍醐味を味わうためにも。

思い返してみれば。
僕もシリーズ最初のうちは相性が悪く。
特に『アベンジャーズ』の惨憺たる感想はトラウマ級。「自分はマイノリティなのだ」と天を仰いだものです。しかし、その感触が大きく変わったのは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でした。

そう。それは本作を仕上げたルッソ兄弟の作品。だから、この二人が僕を導き、見事なまでのカタルシスを見せてくれたわけで。もうね。感謝の念しかありません。ありがとう。本当にありがとう(正確に言えばジェームズ・ガン監督にも感謝)。

また、本作の隙間から零れるのも感謝の念。
特にフェイズ1から活躍してきたキャラクターたちにとっては、長き旅路の着地点。それは成長であり、清算であり、感謝であり、希望でもあり。

それを真正面から描いていますからね。
なんて素敵な重層の玉手箱。豪華な出演陣と相俟って、ハリウッド娯楽映画の全てを詰め込んだと言っても過言ではなく。これでもか、これでもか、というサービス精神に白旗は確実でした。

まあ、そんなわけで。
3時間という尺が短く感じるほどに濃密な物語。
物語の構造は単純ゆえに、鑑賞前に小さな破片ですら目にしない方が良いのですが「焦りは禁物」。登場人物たちと同じように一歩ずつ。そう、一歩ずつ。

そして、フェイズ3は次作の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で幕が閉じますが、ヒーローたちは歩み続けるのでしょう。

僕らも彼らも世界も。
全ては此処から始まるのです。
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