とてつもない、大傑作。何だこりゃ。
キャストのアンサンブル、ストーリー、音楽、編集、どれをとっても一級品。文句のつけようがない。
正直に言って、華やかな映画が好きな人には合わないと思います。でも、これは観てほしい。すごいから。
間違いなく自分のマスターピースになるであろう1作です。
リアルタイムで観れて、本当に良かった。
米国に実際にある新聞、ボストン・グローブ紙。
その新聞で、「スポットライト」という記事欄を担当する報道チームが、カトリック教会による児童性的虐待を暴いていく。
題材は相当骨太で、シリアスです。
しかも宗教の話は、日本人にはアメリカほど伝わりにくい。
この映画の側だけを色で表すなら、グレーかもしれません。
でも、違うんです。
そんな軽い気持ちでスルーする映画じゃない。
今観てほしい、観るべき映画です。
この映画は、とてつもない熱量を持った、最高の新聞記者映画です。
記者たちは、アッと驚く取材方法で華麗にスクープを見つけるわけではありません。
泥臭い、地道な取材。
絶対に不正を暴く、真実をつきとめるんだという新聞者魂。
抜群のチームワーク。
何があっても絶対に諦めない気持ち。
それらを駆使して、一歩、また一歩と真相に近づいていきます。
その過程に華やかさは、皆無です。淡々と描かれます。
でも、128分、全く飽きない。というか、その真逆。
128分間、目が釘付け。買ったドリンクにも、全然手をつけれないほど。
キャストのアンサンブルも本当に素晴らしい。全員、良い。キャストの目に魂がこもってるんですよね。マーク・ラファロがマイケル・キートンと喧嘩するシーンでは、あまりの思いのこもり具合に涙腺が崩壊。果たして、自分はあれだけの想いを持って仕事が出来ているのか?レイチェル・マクアダムスも、真っすぐで、全力で、もう最高。チームのリーダー、マイケル・キートンも頼れるボスって感じで最高だし、編集長も弁護士も全員文句の付けようがない。目の演技が、本当に素晴らしかった。
どのシーンが一番良かったとかも、もう無いです。
全シーン、全カット良かった。無駄なシーンが1つもない。
トム・マッカーシー監督、脱帽です。他作品も観ます。
今年度、アカデミー賞作品賞・脚本賞のダブル受賞も頷ける納得。これはチームで獲った賞ですね。
あと、音楽もすごく良かった。
彼らの地道な取材をスリリングに魅せ、尚かつ彼らの内包する熱さも感じさせる、素晴らしい音楽に仕上がっていました。サントラ、買います。
今観終わったところなのに、すぐにもう一度観たい。
間違いなく自分のオールタイムベストに入る作品です。
とにかくレビューを書かずには、いられませんでした。
彼らの記事なんかには、遠く及ばないけど。
文字の力、新聞の力って、やっぱりすごい。
「大統領の陰謀」や「クライマーズ・ハイ」など、
やっぱり新聞記者の映画は好きだなぁ。
紛れもない傑作です。