ひろ

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のひろのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

※ぼちぼち重大なネタバレしますし、レビューも長めです

依然として暗い…
前作ほど魔法生物の出番が多くなく、タイトル顔負けだったのが原因かと。
やはり魔法の世界が楽しげなのはハリポタなら試験やクィディッチ等の学校行事があったからだし、ファンタビなら魔法生物の存在があったからだと気付いた。

では今作は誰の出番が多かったか?
それは勿論、グリンデルバルドその人だ。
サブタイトルながら圧倒的な存在感を放っていた。
絶大なカリスマに思わず惹き込まれた。
ダンブルドアとの決戦が楽しみなところ。

もう少しグリンデルバルドについて語りたい。
なぜ彼があれほど魅力的に映ったか?
それは彼がヴォルデモートとは違うタイプの悪役だったからだろう。
暴力的ではなく、むしろ理性的で、穏やかで、恐怖ではなく各々の意思によって彼に従ってしまいそうな危うさを秘めていた。
彼は本気で「より大きな善」を信じているから、それが世の中で本当に正しいことだと思っているから、押し付けるのではなく説くことで自然と受け入れられると思っているのだろう。
そして彼なら人々を説くことが出来るのだろう。
非常に危険で目が離せない悪役だった。


さて、話を本編に戻そう。
今作ではハリポタを小説で知っているファンも映画で知っているファンも喜ぶ要素があった。
そう、レストレンジや2人のダンブルドア、ナギニの登場だ。
中でも若き日のダンブルドアの登場は本当に嬉しい。

ハリポタの小説を読んでいた時、「ダンブルドアの若い頃の物語が読みたい」とずっと思っていたからだ。
だが、それはある種の危険を孕んでいたことに今作で気付いた。
若き日のダンブルドアは、もしかしたら私たちが見たくないようなダンブルドアかもしれない。
だが、それもまた魅力だし、ダンブルドアという人間に深みを与える。
ああ、JKローリングさんはなんて素晴らしいんだろう!!

続編では一体どんな物語を見せてくれるのだろうか、本当に楽しみになった。
ファンタスティックビーストというタイトルに惑わされず、ハリーポッターの延長線上として観たら非常に楽しむことができた。


しかし、素晴らしいのは本編だけではない。
特典も最高だった。
JKローリングさんや監督の話を聞くことでより作品への理解が深まるし、セットや小道具へのこだわりも知ることができた。

そして個人的に一番気に入ったのはエズラミラーとルーナ役の女優との対談だ(いや、対談なのかあれは、、?笑)
家で観るようにくつろぎながら自由にはしゃぎ、時々ディープな知識で語り合い、そんな2人の姿はまさにオタクだった。
2人ともこの作品のことが大好きなんだというのが伝わってきて、観ていて自然と笑顔になった。
役者からこれほど愛される作品なんだと思うと、胸が熱くなった。

そして、やはり2人の知識量が凄まじかった。
役に入るということは完全にその世界の住人になりきることなんだと知り、そして2人のプロとしての一面に感心させられた。


このレビューを書いているうちにハリポタを読んで感動した時の気持ちを思い出し、また1巻から読み返したい衝動に襲われている。
僕はこの作品が、このシリーズが大好きです。
夢を、感動を、勇気を、ありがとう。
ひろ

ひろ