滝井椎野

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密の滝井椎野のレビュー・感想・評価

3.8
世界観がやはり素晴らしい。
魔法の描写や魔法生物、バトル等は観ていてワクワクするし、キャラクター達のやり取りはシリーズを重ねているだけあって生き生きとして楽しい。個人的に箱のトラップは面白かった。怪物の本や暴れ玉は戦い慣れした魔法使いたちにとってもやはり厄介な存在なのだと思うと、何とも可笑しい。
しかし、ストーリーは何ともこちらの観たい話とのズレを感じてしまい、『ファンタスティックビースト』というシリーズでやる必要がある話なのだろうか? と少し思ってしまった。何と言っても、このシリーズでこちらが観たいのは、作中でもあったサソリとニュートの擬態等といった魔法生物の生態とニュートたちの触れ合いであって、ダンブルドアは確かに魅力的なキャラクターであるのだが、その辺は別で外伝でも作ってやってくれた方が良いのでは……? 等と思ってしまった。ホグワーツでの描写も『必要の部屋』が登場したりと嬉しくなったが、それ以外の学園描写等ももう少しガッツリと描いてくれても良かったのだが……少し物足りなさを感じてしまった。
とはいえ、シリーズ三作目で良い具合に一区切りがついて良かったのでは無いだろうか。ダンブルドアのキャラクターも、彼の抱える孤独等が深掘されていて良かったのは良かった。まだシリーズは続くようだが、今後も期待したい。
滝井椎野

滝井椎野