この作品を正しく楽しむためにはDCコミックス関連映画をきちんと鑑賞していないとダメ。
というのも本作はぱっと見だけだと「悪い人達は実はいいところもあったんだ〜〜〜」と表面的に使い古された展開に見える。ただこの作品は下地にゴッサムシティをはじめとした資本主義や民主主義の暗部を描写したバックボーンがある。そのため作品自体の脚本は雑だが、ただ雑と切り捨てるにはやや事情が重い。
それを踏まえて視聴すると仲間のディアボロはかなりいいキャラクターであった。他は善悪両面を無理に描こうとして失敗してしまったが、彼だけは最初から悪行に悔いていた姿勢を描くことで"あの環境ではそうするしかなかった"という作品の背景が理解しやすい。
ただメインのハーレクインのキャラクター性は掘り下げが雑。美味しいキャラクターは登場するだけでおもしろいわけではないので、次に同シリーズを製作するなら脚本家はよく選定してほしい。
ジョーカーも演者はいいのだけれど、ニコルソンやレジャーの系譜を考えるとちょっとジョーカーに見えない。なんか本質的なところ間違えてますよこれ。