Tラモーン

いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのTラモーンのレビュー・感想・評価

3.5
700Markなのでなんとなく『7』にまつわる映画を観ようと思ったんだけど、『七人の侍』も観ちゃったし『セブン』もMark済みだし…と思ってたらありました!


大学教授のピエトロは優秀な研究者であったが、世渡り下手が故に研究資金を打ち切られ大学を追い出されてしまう。ふとしたきっかけで、法の目を掻い潜った"合法麻薬"が高額で取引されていることを知ったピエトロは、自分と同じく優秀ながら不遇により研究職を追われた各分野のスペシャリストを集め新薬の開発に取り組む。かくして7人の"研究者ギャング"が結成された!

各分野の元大学教授たちが個性的で、集められていく経緯をマンガ的で面白い。みんな癖強めで理屈っぽくて、口喧嘩始まるとみんな鬱陶しいところなんかは設定を上手く生かしていたと思う。
個人的には経済学者のバルトロメオが好き。この人は始めっからチンピラ感あるし、ちょっとノエル・ギャラガーに似てる笑。

麻薬商売が軌道に乗っていく様は痛快だし、画面の色合いがやたらビビッドなのはドラッグのトリッピー感を出してるのかな。

口では「今までどおりの生活をしろ」なんて言いながらみんな段々と羽振りがよくなっちゃって、段々とガラが悪くなっていくのがコメディチックながらもリアルで笑えなかったりする。
「いつだってやめられる」と言いながら後には引けなくなってしまった7人。一度欲に目が眩んでしまった、甘い汁を吸ってしまった人間がそれを捨てるのは難しい。

結構生々しいななんて思ってたらラストは意外とご都合主義コメディに落ち着いたので正直肩透かしだったけど。

その前の薬局強盗のシーンはめちゃくちゃイライラさせてくれてリアルでよかったのになぁ。どうせだったら『アメリカン・アニマルズ』くらい引き返せない泥沼まで堕ちて絶望ラストでもよかったのに。

最後は笑えないわけじゃないけど、ちょっと中途半端な作品だったなぁ。

あ、ムレーナの片側眉無しはめちゃくちゃ迫力ありました。
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