サスペンスを期待して観たのにこんな気持ちになれるとは予想外…！
事故に会い記憶を失ってしまった女性スジン（ソ・イェジ）。夫のジフン（キム・ガンウ）の献身的な支えにより日常生活を取り戻しつつあった彼女であったが、他人が危険な目に遭う未来を見えるようになってしまう。夫や医者からは幻だと言われていたが、ついには夫が人を殺している場面を見てしまう。
うわ〜めちゃくちゃ面白かった！
オチ的には韓国あるあるなのかもしれないけど、このタイプの結末の作品はあまり見てこなかったのでかなり面白かった。完全にネタバレ厳禁作品なので詳細は書けませんが…。
夫役を演じたキム・ガンウがなにより素晴らしい。前半、中盤、後半で全く別人に見える。いや同じ人間なんだけど、表情の温度感というか愛情深い男〜得体の知れない恐怖の対象との振れ幅がお見事。
そういう意味ではヒョンソクも同じくらい振れ幅あったな。どんな役だったかはご鑑賞のうえご確認ください。
ソ・イェジが演じたスジンは記憶を失っているがために何を言っても夫や医者に取り合ってもらえなくて歯痒い思いをしているが故に結構ムチャクチャな行動をしてて、そこが若干興醒めポイントではあるものの「まぁ記憶失ってるし…」と優しい気持ちで見てあげるのと、めちゃくちゃ美人なので許してあげてくださいという感じ。
でも彼女がなんであの人たちのことをそこまで心配してムチャクチャな行動を取るのか、という真相を知るとそこすらも切なくなるのがこの作品の凄いところ。
彼女のムチャクチャな言動の中でも重要なポイントを外さなかった刑事（パク・サンウク）は結構ナイスキャラ。第一印象の割にこの人は無能じゃなくてよかった。
彼がスジンとジフンのウェディングフォトを見て"逆じゃないか？"と呟くところが物語を二転三転させる重要な伏線になっているあたりも巧いんだよなぁ。
中盤のネタバラシから怒涛のように伏線を回収し、全ての謎に答えと意味を持たせてグイグイ進んでいく展開は目を見張るものがあった。それでいてそこで終わらずもう一捻り。サスペンス/ミステリー的な面白かった〜では終わらせない感情移入のさせ方が上手。
そして写真のエピローグでスコア0.1上げてしまった…。泣かすなよ…。
"いつもそばにいるよ、君から見えなくても"
