MikiMickle

いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのMikiMickleのレビュー・感想・評価

3.6
イタリアで大ヒットしたクライムコメディ3部作の第1作目。
シドニー・シビリア監督の初長編デビュー作。


神経生物学者のピエトロは研究に人生をかけてきた。しかし、新しい発見のプレゼンは、へぼ教授のせいで失敗。 経済危機の打撃から、研究費はおろか、大学での職も失ってしまう……
7年連れ添った彼女にその事を告げられずに、つい嘘をついてしまったピエトロ。
家は差し押さえの瀬戸際… 家での家庭教師の授業料も生徒は払ってくれない……まさに崖っぷち。
そんな彼が見つけた金儲けの手段は、合法ドラ ッグの製造だった‼
そして、そのために集めたメンツは、同じように失業してしまった各界のエキスパート元学者たちっっ‼‼
彼らのドラ ッグはクラブで大人気となり、巨大な富を得る。が、闇の組織に目をつけられ……
さぁ、ど素人ドラ ッグギャングたちは、どうなるどうなる?‼

とりあえず、オープニングでThe Offspringがかかってテンションあがるw

設定としてはオーシャンズシリーズのようなものだけれど、もっと(良い意味での)クズ感とコメディ要素があって楽しい♪

人類学者・言語学者・考古学者・経済学者などが話す怒涛の会話の内容の難しさには笑いが込み上げる♪
生粋の学者感と研究への愛がひしひしと現れていたりもして、愛おしいっっ‼‼(祖父や父の影響からか、学者タイプの人間に惹かれる所があるものでw)
こんなにお利口さんたちなのに、やってる事がちょっと間抜けなのも愛おしい。
今の貧しい状況についてのディテールも、ユーモアがある。中華料理屋で皿洗いバイトしてたり。

そして、風刺の面。
ギリシャの経済破綻の煽りは、イタリアにも大きな影響があり、深い傷を負った。実際に、経済破綻の最大の犠牲者は学者たちだったという事実がある。
それがユーモアを交えて表されていた。笑いの奥に、切なさがある……

からの、後半の、思わず声だして笑っちゃう感じ‼‼ たまらない( ´罒` )

そして、とにかくそれぞれの個性がしっかりと立っているキャラの描写がかなり良いっ‼‼ それぞれになんかキュートだし、役割分担も面白い♪全員好き♡

徐々に手に負えない展開になっていくもの、それを回避するワナもハラハラする♪

映像的には、全体に緑がかり、そこに赤が加わるのもイタリア映画っぽくて好み♪ 哀愁と夢の世界感も感じる。

「俺たちから研究をとったら何が残るんだっ‼」という熱い想いの、キュートなオタクのオッサンたちの一世一代の掛けに、ビール飲みながら付き合った楽しい夜だった♪
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