このレビューはネタバレを含みます
長い映画だったけれど、とてもよくできていた。言葉にすると簡単に、医学の発展のためにはこれだけの犠牲があったのだ、となってしまうけれど、のめり込み具合がすごかった。
もともとペルシャが出てくる映画でなにかないかな?と思って見たんだけれど、思いもよらない壮大な医学のお話。レイチェル・ワイズの「アレクサンドリア」とカブっているところが多いけど、こっちの方が壮大さ、のめり込み具合が大きかったのは、医学という身近で、しかも長らくタブーとされてきた人体解剖への道のりが詳しく描かれていたから。こっちの方が天文学より興味をそそられる。
宗教以上に禁忌とされている人体解剖、アンタッチャブルな領域はどのように開拓されたのか、史実と違うところがあるのかもしれないが、この映画で知れてよかった。しかも教育映画だとどうしても知識の押し売りになってしまうところだが、非常にエレガントに没頭させてくれた。映画として、非常に楽しめた。
惜しいな、、と思ったは全てが英語である故に、どうしてもイギリス流の押し付けがましさのようなものを感じたところ。たしかにイスファハーンからの物語をペルシャ語でやって英語字幕つけるわけにもいかないとはいえ、文化も宗教も異なる国へ行ったのになんだかなあ、と思ってしまう。
これは英語映画にはつきもののジレンマなんだけれど、なんだかなあ。