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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女のcoroのレビュー・感想・評価

4.1
(主人公の青年)
愛車のクラシックカーも含めて、その装いや風貌からジェームズディーンを彷彿とさせる主人公。父親に縛られギルバートグレイプのように人生を半分あきらめかけている。
(もうひとりの主人公)
赤ずきんにも見えるチャドルのようなマントを羽織り、毎夜闇に溶け込み汚れた血だけを求めて街を徘徊する、美少女だけれどその牙がちょっぴり怖い、無口で孤独なパンパイア。

独特な感性から生み出されるイランの価値観を無視する独創的な世界の中で、何かを変えたいと思っているふたりが偶然出会い、恋に落ちていく。
芸術的で完璧な構図の写真ばかりを集めて、それをひとつのフィルムに収めたような、多分どのタイミングで画を切り取ってもスタイリッシュでアートな作品。

暗闇の中で発光する、ふたりの心のひだを映し出す長くて純粋な沈黙から、平穏と不穏が同時に顔をのぞかせ、内側から心を満たしてくれる。


You Say Party! We Say Die! - Monster
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