あでぃくしょんBBA

共犯のあでぃくしょんBBAのレビュー・感想・評価

共犯(2013年製作の映画)
3.7
2022.09.01 配信で視聴

オープニングで「あ、これは陰鬱映画かな、失敗した」と思った。
そのとおり前半はしんどかった。
辛気臭い。画面が明るく(夏空・晴れ)ても空気が暗くて重い。

主なキャラクターは姿かたちともにわかりやすい設定。
そこを類型ととるか親切ととるかで最初の評価が分かれそうだ。
私は後者だった。

物語は、病んでる少女の転落死から始まる。
謎は意図的に隠されていて、
結局、現実の誰にも少女が転落した原因は不明のままだ。

描写はすごく細やかで、要所要所の構図・色彩がきれい。
秘密の同盟、ゆらぎ、嘘、噂。
リアルはもっと胸くそ悪い展開になるはずだが、
この映画は優しく、
あの時期特有の危うさを密やかに描いている。

途中、Too much painって言葉が浮かんだ。
この映画に登場する高校生たちに半グレやヤンキーはいない。
中心になる3人の少年たちも
幼少期に家できちんとしつけられた、元は素直な子どもたちだろう。
そんな彼らに重すぎる痛み。
鑑賞後、You Tubeで『チェインギャング』を聴いた。
彼女も彼も、
あの歌のように<スタイリッシュじゃない泥臭い歌>に触れてたら、
もう少し違う“過ぎ越しかた”を選べたんじゃないかと思った。
あでぃくしょんBBA

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