あでぃくしょんBBA

ジェニファーのしたことのあでぃくしょんBBAのネタバレレビュー・内容・結末

ジェニファーのしたこと(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2024.04.15 配信で視聴

サスペンス・ドキュメンタリーとして面白かった。
「捜査のためなら警察は嘘ついてもいいんだ」とか
「こうやって警察は追い詰めていくのね」とか。
でもここに現われた道徳観は、私のそれにそぐわない。
上級警察官が「産んでくれた親を殺すとは」と絶句していて、たぶん陪審員たちもそういう道徳観なんだろうが、親を殺すまでに追い詰められた子どもの気持ちがわからないのがわからない。
親は遠い異国に移民として来て、言葉の違いや文化の違いや差別を乗り越えてまっとうな暮らしを営み、さんざん子どもに手やお金をかけて育て上げ、大学まで行かせるゆとりある生活を構築したのになんの不満があるのか――と言やぁそうなんだが、「これだけしてやったのに、なんであんたはこんなこともできないの!」と言われ続ける子どもの身にもなってみ?
「おまえの道はわたしたちが造ってやる。だからおまえは我々の敷いたレールの上を通るだけでいい、おまえはただ努力だけすればいいんだよ」と、成長途中で芽生えた関心事に親が一切興味や共感を示してくれない、それどころか取り上げて潰そうとする親に、子どもが憎しみを抱いてもなんの不思議もない。

悪い男にひっかかるのも、そしてそういう男に執着しちゃうのも、本作に出てきたジェニファーの高校時代の友人(♂)の言うとおり、承認欲求と愛情欲求が満たされなかったからなのだ(断言)。
彼女のマズイところはただ1点。他人に親を殺してもらおうとしたところ。やるんなら自分でやらなきゃただの甘ちゃん。どうしても自分でできないなら家出するとか方法はある。そういう選択ができない子は、たとえ親殺しに成功しても、その甘さを悪い奴に突かれて落ちるとこまで落ちていく。一人っ子だったのも、この場合、望ましくない方向に作用したかもね。
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