chako

共犯のchakoのレビュー・感想・評価

共犯(2013年製作の映画)
4.0
これはまた凄いものを観てしまった・・・(๑°ㅁ°๑)‼✧


ある朝、女子生徒が転落死した
少女はなぜ死ななければならなかったのか?
偶然にも遺体の発見者となった三人の男子生徒は少女の死に疑問を持ち、その好奇心から真相を探っていくーーー


いじめられっ子、優等生、問題児
学校生活では一見結び付かなさそうな三人の男子が、少年探偵団のように真相を探る中で友情が芽生えていく姿が微笑ましい。
しかし物語は少女の死の真相を探るミステリーかと思いきやそれだけではなく、中盤で"ある事件"が起こってから第二部が幕開けする。
少女の死の真相は想像よりももっともっと深いところにあり、「共犯」というタイトルは誰か一人の視点からではなく次々に切り替わっていく。

セリフや説明は極力少なく、けれど少年達が発するセリフはハッとさせられる言葉ばかりで、印象的だったのが
「嘘でも皆が信じたら真実になる」
「平凡な人間でも加害者になり得る」
というセリフ。
少年達が抱える心の闇は私が思っていたよりも遥かに深く、とうに彼らの年齢を過ぎて大人になった私にはこれはどうしたらいいのか・・・と考えさせられてしまった。

ミステリーとしても青春映画としても傑作だと感じたけれど、何よりこの作品で私が好きなのはスタイリッシュな映像。
水をイメージしたオープニングから一気に惹きつけられ、湖、溺れゆく男、死体袋、SNS・・・と、次々に映し出される画にぐいぐいと引きこまれていく。ネットカフェやSNSといった現代的な物を感じさせながら、それとは対照的に秘密の森や湖といったどこか懐かしさを感じる風景が映し出されたり、台湾映画独特の瑞々しさと人間の心の奥底に潜む闇や毒々しさが入り交じったような新しい感覚でした。

それから主演のいじめられっ子ホアン役の俳優さん、何かで観たことあるような・・・と思っていたら長澤まさみが出演していた台湾ドラマ「ショコラ」に出演していたアーリー役の人!
「ショコラ」の時は金髪で鶏のトサカみたいな髪型してたから誰かと思いました!喧嘩っ早そうなアーリーがいじめられっ子だなんて・・・ていうか、高校生役を演じるほど若かったとは知らず(笑)
どっちかって言うと熱血なイメージの強いアリス・クーが妙に冷めたカウンセラー役っていうのも何だか新鮮。

そしてキーパーソンとなる亡くなった少女役の女の子。演技初挑戦とは思えないような存在感で、見た目も小松菜奈と二階堂ふみを足したようなアンニュイな美少女!劇中では横顔ばかりで正面から観ることはほぼなかったけれど、特典映像での舞台挨拶も可愛かったです。
台湾の青春映画って無名俳優や演技自体も初めての新人を起用した作品が多い気がするけれど、本作でも彼女を含むメインキャスト6人のうち4人が新人とのこと。それが変に作り込みすぎずに自然な空気感が出ていて良かったです。台湾映画、やっぱり好きだなぁ。
chako

chako