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パリよ、永遠にのkanegon69のレビュー・感想・評価

パリよ、永遠に(2014年製作の映画)
3.9
1944年8月25日パリ、連合軍はノルマンディーより刻一刻と迫ってきている。ナポレオン3世の愛人を住まわせていた歴史あるホテル「ル・ムーリス」のスイートでドイツ軍のコルティッツ将軍は指揮を執っていた。パリの名だたる建築物、セーヌ川の橋、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、エッフェル塔、凱旋門、、全てを爆破し、数百万人を殺す最後の作戦。すでに爆薬はほぼセットし終わっていた。そこにパリ生まれパリ育ちのスウェーデン総領事ノルドリンクがどうにか止めさせようと決死の交渉にやってくる。しかしコルティッツ将軍は妻子を人質に取られていて命令に背くことができない。果たしてパリは消滅してしまうのか、、

今の美しいパリが残っているのも、コルティッツ将軍の最後の最後の英断と、ノルドリンクの必死の説得のおかげと言える。戦争捕虜となったコルティッツ将軍は1947年に釈放。1955年にノルドリンクとパリで再会した。ノルドリンクはパリから授与された勲章をコルティッツ将軍に贈っている。私たちが憧れる花の都パリはこうしてヒトラーの破壊命令から逃れたのは本当にギリギリのところだった、そして最後の一夜の決死の交渉だったと思うと、あの美しい都がより大切に思えて来る。
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