わたがし

スター・トレック BEYONDのわたがしのレビュー・感想・評価

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)
5.0
 とにかく緩やかでありながらも自在に動き回る綺麗なカメラワークに始終うっとりする映画。スピルバーグ映画のようなめちゃくちゃ小賢しい上手さがあるわけでもなく、マイケルベイ映画レベルまで下品にカメラを振り回すわけでもなく、ちょうど良くテンションのあがる絶妙な躍動感。ワイスピシリーズの時は編集ガチャガチャの人なんだなあ~と思っていたジャスティン・リン監督、今回は3D映画だからという理由もあるのだろうけれど、見事に期待を裏切る無重力カメラワーク演出にニコニコが止まらない。
 その見事なカッティングとカメラワークにちょうど良く滑らかに絡まり合うマイケル・ジアッチーノの「穏やカーニバル」としか言いようのない最高級の音楽!!マイケル・ジアッチーノの音楽の紡ぎだす音楽しか聴きたくないと言ってきた自分だけど、本作におけるジアッチーノ音楽の素晴らしさは本当に!!桁の桁の桁違いに!!最高に良い!!胸が一気にすくわれるような気分になり、そのまま自分の身体が宙を舞い、そのまま天国まで一直線に飛び立てそうな高揚感!!どうしてもサントラが欲しい!
 IMAX3Dで観たのだけれど、コンバート3Dの粗さがめちゃくちゃ目立つ。そして更にその粗さが強調されてしまうような場面がめちゃくちゃ多くて、1億8500万ドル映画でこの画面の酷さなのかよ!と思ってしまう場面もチラホラあったりした。それもまた3D映画の常識をビヨンドする演出(明らかに途中で3D映画であることを度外視した完全2D映画専用演出もあったりしたので)なのかもしれない。
 そしてソフィア・ブテラの破壊的なかわいらしさ!!キングスマンでは「カッコいいぜ!」みたいな役(でもかわいさを隠しきれていない)だったけど、今回こんな訳のわからない特殊メイクをされたにも関わらず、ちゃんと「かわいい」のは本当にすごすぎる。かわいいの前には特殊メイクすらも無力なのだ。
 かわいいと言えば普段はかっこいいクリス・パインもなぜか本作ではめちゃくちゃかわいらしく見えるので、ジャスティン・リンは性別問わず人間をかわいらしく撮る才能があるのかもしれない。何なら本人の顔もちょっとかわいいし。この映画自体もかわいいし。かわいいは正義!かわいいは世界平和の第一歩!
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